FRPで自作するインナーリアフェンダー

 

きっかけはこの泥でした、純正のサスダンパーがオイル抜けを起こしてしまい、ただのスプリングに

なってしまいました。替わりにNSR250R(MC18)のリアサスを加工して、苦労の末にVTに取り付ける

事が出来ました。パーツを移植する必要があり、分解するとスプリングストッパーの所から大量の

泥が出て来ました。後輪が巻き上げた泥水が長期間蓄積した結果でしょう。交換したNSRのサスは

きれいな状態だったので、泥水がかかって傷むのを防ごうと考えました。それにはインナーリア

フェンダーが有効でしょう。バンディット用のフェンダーを流用する方法をネットで見つけましたが

高速回転する後輪のすぐ近くに装着するパーツです、僅かなガタつきすらあっては危険です。

流用ではなく、VTのスイングアームを型取りしてガタツキの無い、風圧で変形しない強度を持った

材質という事でガラス繊維強化プラスチック、すなわちFRPで自作する事にしました。

材料のガラスクロスとポリエステル樹脂、硬化剤は東急ハンズで購入しました。でもハンズは

かなり割高なので、最近では格安な通販で材料を仕入れています。

 

 

FRPで形を作り上げるには、最初に型を作ってその型にガラスクロスやガラスマットをポリエステル樹脂

と共に固めながら積層して作り上げるのが一般的です。量産するつもりも無いので加工の容易な発泡

スチロールで型を作る事にしました。車体に合わせておおよその形を決めて発泡スチロールの塊をカッター

で削ったりして型を作ります。しかし、この作り方は失敗で後々エラい苦労をする事になります。

 

 

そのままポリエステル樹脂を塗りつけると発泡スチロールは溶けてしまうので、食品用ラップフィルムで

型を包み、ガラスクロスを貼り付けてポリエステル樹脂を塗りつけて硬化させます。3枚のガラスクロス

を積層させ、型から外します。かなり荒い作りですが、これでもFRPなので相当な強度があります。

 

 

ポリエステル樹脂にタルクパウダーを混ぜてポリエステルパテを作り。ガラスクロスとポリパテで

スイングアームの形状を型取りし、全くガタの無いフェンダーの台座部分を作ります。後輪周辺は

潜在的な危険があるのでこの作業は安全確保という点で非常に重要です。FRPは強度があるので

走行中に後輪に突き刺さりでもしたらタイヤを切り裂く可能性もあると考えました。

タルクパウダーが無くなったので、替わりに石膏を使ってポリパテを作り表面の凹凸を埋めて形状を

整えます。石膏を使うと硬化時の収縮、いわゆる"ヒケ"が大きいように思えます。使わない方がいいかも。

 

 

スイングアームに装着してVT本体でテストしてみましたが、最初に型として使った発泡スチロールの形状が

いい加減だったので各部が車体に干渉しまくりです。ディスクグラインダーでガリカ゜リ削ることとなりました。

騒音や粉塵で大変な目に遭いました。粉塵で隣近所に迷惑をかけてしまうのでサイクロン集塵器を作る事に

なるのですが、それはまた別のところで。

結局、一部平面のままで完成という事にしました。造形的には中途半端ですが・・・。

 

 

市販のインナーフェンダーは、タイラップで取り付けられることが多いようです。しかし、あのプラスチック製品は

紫外線で短期間に劣化してボロボロになります。屋外用のタイラップもあるのですが、私は信用していません。

そこでFRPの端材とポリパテでブラケットを作ってガッチリと取り付けます。スイングアームにしっかり固定しながら

ブラケットを硬化させたので、ガタつきは全くありません。ブラケットの反対側はチェーンケースにボルトで固定

する方法をとりました。チェーンケースに穴を開けるのは抵抗がありましたが、他にしっかりと固定する方法が

思いつかなかったので実行しました。(でもフェンダー2号機で完全ボルトオン装着が実現するのですが)

 

 

3ヶ月程使っていましたが、どうしても手抜き造形が我慢出来ず悶々としていました。そんな時に気が付いたのですが、

VTの後輪が正規のサイズより1サイズ細いタイヤが付けられていました。細いタイヤの寸法に合わせて作ってしまった為、

正規のサイズのタイヤを付けると明らかにフェンダーとタイヤが接触してしまいます。そこで手抜き造形の修正と正規サイズの

タイヤ装着の為に改修を行う事にしました。フェンダーのサイド部を少々削り、平面部分を3次元曲面に造形し直します。

 

現在はこのようにVTに取り付けられて、車体内部とサスペンションを泥ハネから守っています。

サイド部分の構造物が無いので少々不安でもありましたが、泥除けの効果に全く不足はありませんでした。

 

 

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